History of YOSHIDA PRINTING INC
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本格的なデジタル時代到来(1995-2005)

活版印刷の廃止と資材の保存
1990年代後半、時代は着実に、そして、加速度をつけながらデジタル化へと進んで行った。
平成7年(1995)夏、ついに当社も活版印刷の廃止を決定した。活版印刷の設備や技術を保持しているところは当時でも少なく、廃止を惜しむ声も多く聞かれたが、鉛活字だけでも重さは優に100トンを超え、活版印刷の継続に必要な、膨大な費用と場所、多大な労働力と社会のニーズを考えると、コンピュータ組版へと移行せざるを得なかった。不要となった印刷機や活字鋳造機などの活版印刷資材一式は、東京大学に寄贈した。それらは東京大学総合研究博物館の特別展示「歴史の文字 記載・活字・活版展」に展示され、その後は学術資料として永久保存されることになり、現在も博物館の地下倉庫に保管されている。


本・支店それぞれに、デジタル部門を開設
東京支店デジタル開発部東京支店デジタル開発部

印刷業界にとってデジタル化は、産業革命以来の大きな環境の変化といえる。同一データを利用し、印刷物のみならずホームページやCD-ROM、DVDといった複数のメディアへと展開することが可能になる、 いわゆる「ワンソース・マルチユース」。印刷会社として培ったノウハウを活かしたサービスの可能性は大きく広がっている。当社でも、平成7年(1995)には本店に、平成9年(1997)には東京支店にデジタル部門を立ち上げ、本格的なデジタル化の時代に備えた。

品質マネジメントシステム構築と金沢工場設備拡張
本店に導入された菊全両面8色機本店に導入された菊全両面8色機
デジタルコンテンツ制作へ取り組むとともに、当社の本業である印刷物制作の技術向上にも努めた。
まず、金沢本店で品質マネジメントシステムISO9001(平成21年11月30日、社内独自の品質マネジメントシステムに移行)を取得し、お客様に高水準の製品・サービスをご提供できる体制づくりを行った。
一方、機械・設備などの整備にも力を注いだ。東京支店では、小ロット・短納期化を見越して、A3判自動両面オフセット印刷機を導入した。金沢本店においては、高速・高品質を実現する菊全両面8色機や、多様なニーズに答えるオンデマンド・バリアブル印刷機を導入するなど、常にハード・ソフト両面から、顧客満足の向上のため、取り組みを続けている。


コラム
 活版工場 文選・植字  活版工場 文選・植字 活版印刷
一文字ずつ活字を組んで版をつくり印刷する活版印刷。使用する文字に見合うだけの鉛活字が必要になるばかりか、活字鋳造機などの工作機械から、字母や母型の制作といった活字を供給するシステムも必要になる。その上で、膨大な量の活字の中から使用するものを集める文選工や集めた活字を指定されたとおりに並べ版をつくる植字工、紙型工、鉛版工、メッキ工、印刷工など大勢の職人が携わってはじめて出来上がる。最近ではほとんど見る機会はないが、指先で文字の風合いが感じられる趣のある印刷だ。
 
   
東京大学総合研究博物館の地下倉庫に保管される活版印刷の機械
 
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