高級感のあるパッケージとは?デザインのポイントとアイデアをご紹介
消費者が商品を手に取る最初の瞬間、その印象を決定づけるのがパッケージです。もし高級な商品を提供するなら、その価値にふさわしい高級感のあるパッケージは必要不可欠だと言えます。
高級パッケージの鍵を握るのは、単に「見た目が美しい」ということだけではありません。消費者の視覚や感触に響く素材選びから、デザインを際立たせる印刷・加工技術まで、あらゆる要素が絡み合っています。
この記事では、高級感を与えるパッケージの特徴から、高級感を演出するための具体的なポイントまで詳しく解説します。
《パッケージデザインの役割と制作プロセスについてはこちら》
高級感を与えるパッケージの特徴とは
高級なパッケージは、ただ商品を包むだけの存在ではありません。そこには、ブランドのイメージや商品へのこだわりが詰まっています。高級感を与えるパッケージの特徴を3つご紹介します。
購買意欲を刺激する「特別感」の演出
人は、手に取った瞬間の感覚でその商品の価値を判断しがちです。洗練されたデザインや重厚感のある紙質、マットで滑らかな手触りといったような視覚や触覚に訴える要素は、「これは特別な商品だ」という期待感を高め、購入を後押ししてくれます。
ブランドイメージの確立
高級感のあるパッケージは、単に商品を美しく見せるだけでなく、ブランドそのものの価値を伝えます。例えば、環境に配慮した素材を使えば「サステナブルなブランド」として、他にはない加工技術を使えば「革新的なブランド」として、消費者の心に深く刻まれます。
商品の品質を保証する「信頼性」
消費者は、「パッケージがこれだけしっかりしているなら、中身もきっと高品質に違いない」と無意識のうちに判断することが多いです。高級感のあるパッケージは、ブランドが品質にこだわり抜いていることの証となり、信頼性を高める役割を果たすでしょう。
高級感を演出するデザインの5つのポイントとアイデア
高級パッケージは、視覚と触覚の両方に訴えかけることで、その価値を最大限に引き出します。ここでは、すぐに取り入れられる5つのポイントを、具体的なアイデアとともにご紹介します。
1. 落ち着いた「色使い」で品格を出す
高級感といえば、低明度で落ち着いた色を基調にするのが定番です。黒、紺、深緑、ワインレッドなどは、重厚感と安定感を演出し、商品の価値を一段と引き上げます。これに、金や銀、銅といったメタリックカラーをロゴやアクセントとして加えることで、洗練された印象と華やかさが加わります。色数を1〜2色に絞ると、よりミニマルで上品な仕上がりになります。
アイデア
・黒いマットな紙に、ブランドロゴだけをシルバーのメタリックカラーで印刷すれば、光の当たり方でさりげなく輝き、控えめながらも強い存在感を放つデザインが完成します。
・深い紺色のパッケージに、細い線で描かれたロゴを金で箔押しすることで、エレガントでクラシックな高級感を演出できます。
2. 「素材・質感」で触れる体験をデザインする
手に取った瞬間の感触は、パッケージの印象を大きく左右します。触覚に訴える素材選びは、五感を通じて商品の特別感を伝える重要な要素です。ザラザラとした手触りの特殊紙や、しっとりと滑らかなマット加工の紙、あるいは独特な凹凸を持つ素材など、素材が持つ特性を活かすことで、パッケージの印象は大きく変わります。
アイデア
・和菓子のような繊細な商品には、独特の風合いがある和紙を選び、日本の伝統美を表現できます。
・ジュエリーや高級時計のボックスには、ベルベット調の紙やレザー調の素材を用いることで、ラグジュアリーな雰囲気を演出し、開ける前から期待感を高められます。
3. 「余白」を活かしたミニマルデザイン
高級なブランドほど、パッケージはシンプルです。多くの情報を詰め込むのではなく、余白をたっぷりとることで、洗練された印象を与え、ロゴや商品名を際立たせることができます。引き算のデザインを意識することで、見た目の美しさだけでなく、商品の本質的な価値を伝えることに集中できます。
アイデア
・パッケージの中心にロゴだけを配置し、商品の説明や成分などの文字情報は裏面や内側にまとめることで、ブランドの自信と品格を表現できます。
4. 「フォント」でブランドの世界観を表現する
フォントは、パッケージの印象を決定づける重要な要素の一つです。細く繊細な明朝体や、デザイン性の高い筆記体は、上品でエレガントな印象を与え、ブランドのストーリーを語る上で欠かせません。フォントの太さや行間、文字間隔を調整するだけで、デザイン全体に洗練された雰囲気を生み出せます。
アイデア
・メインのフォントはシンプルで読みやすいものに統一し、ロゴやブランド名、キャッチコピーなど特別な部分だけに、デザイン性の高いフォントを使うことでメリハリが生まれます。
5. 「印刷・加工技術」で特別な付加価値をプラス
普通のパッケージと高級パッケージを分ける大きなポイントの一つとして、印刷・加工技術が挙げられます。特別な加工を施すことで、単なる平面のデザインが立体感や奥行きを感じさせる作品のように変化し、商品の価値を格段に向上させます。
アイデア
・箔押しやエンボス加工、UVクリアニスなどの印刷加工技術を活用することで、デザインに特別な質感を加え、手に取ったときの感動をさらに深めることができます。
・加工技術をデザインの一部として取り入れることで、他社には真似できないオリジナリティのあるパッケージが実現します。
パッケージの目的別!印刷・加工技術ガイド
ここからは、パッケージに高級感をプラスする具体的な印刷・加工技術を、目的別に分けてご紹介します。
華やかさやゴージャス感を強調したいなら
●箔押し
金や銀、メタリックカラーの箔を熱と圧力で紙に転写する加工です。インクとは違う金属光沢が、ロゴや文字に圧倒的な存在感と立体感を与えます。見る角度によって輝きが変わり、一目で「高級」と感じさせる効果があります。
化粧品のパッケージ、お酒のラベル、高級チョコレートの箱など、ギフトや特別感を演出したい商品に適しています。
シンプルで洗練された高級感を演出したいなら
●エンボス加工
紙を型押しして、ロゴや模様を浮き上がらせるのがエンボス加工です。インクを使わずに凹凸だけでデザインを表現するため、視覚だけでなく触覚にも訴えかけます。さりげないのに存在感があり、上品で奥ゆかしい印象を与えます。
香水やスキンケア用品、アパレルブランドのタグなど、ミニマルで洗練されたイメージを打ち出したい商品に適しています。
●レーザー加工
レーザーを紙に照射して、複雑な形状の切り抜きや、繊細な模様を表現する加工です。従来の型抜きでは難しかった、細く入り組んだデザインや、立体的な模様も自在に作ることができます。パッケージに透け感や繊細なデザインを加え、アート作品のような特別感を演出します。
高級なお酒やお菓子の箱など、他にない独創性を追求したい商品に最適です。
デザインの一部を際立たせ、個性を出したいなら
●UVクリア印刷
透明ニスで、ツヤやマットなざらっとした質感を表現することができる特殊印刷です。例えば、マットな背景の上にツヤのあるロゴやイラストを浮かび上がらせることで、コントラストが生まれ、デザインにメリハリと奥行きを与えます。
デザインに視覚的なアクセントを加えたい場合に最適です。
●特色印刷
CMYKの4色では表現できない、特別な色をインクとして使う印刷方法です。ゴールドや蛍光色、パステルカラーなど、ブランドのキーカラーを忠実に再現したり、他にない独自の色を表現することができます。
ブランドのアイデンティティを色で強く表現したい商品、他社と差別化を図りたい場合に効果的です。
「デザイン」と「印刷・加工」で高級感を演出しましょう!
高級感のあるパッケージは、洗練されたデザインと、それを最大限に活かす印刷・加工技術が組み合わさることで完成します。ブランドの価値を正しく伝え、消費者の心を掴むパッケージを制作するには、デザインはもちろん、どのような素材や加工技術を使うかまで、総合的に考えることが重要です。
YPGでは、ターゲットや目的に合わせ、デザイン制作から素材選び、印刷加工までご対応いたします。「どんなパッケージにしたらいいかわからない」「この商品の魅力を最大限に引き出すには?」といったお悩みがあれば、YPGまでお気軽にお問い合わせください。