【実例あり】オンデマンド箔で偽造防止 × 高級感!魅せるセキュリティ対策
「自社が発行するプレミアム商品券やイベントチケットの偽造対策をしたいけれど、大がかりな特殊印刷を発注するほどの予算もボリュームもない......」
そう悩むイベント主催者やスモールビジネスのオーナーは少なくありません。
そこで今、注目を集めているのが「オンデマンド箔」です。
今回は、従来のセキュリティ印刷の弱点を補い、少部数からでも偽造防止効果を発揮するオンデマンド箔の実用的なメリットと具体的な活用アイデアをご紹介します。
セキュリティ印刷としての箔押しが抱える「3つの課題」
偽造防止対策として非常に優秀な箔押しや、その他の特殊なセキュリティ印刷ですが、これまでは「導入したくてもできない」という企業が少なくありませんでした。それは、偽造防止対策を検討する際、多くの企業が次のような課題に直面していたからです。
1. 初期費用の金型(版)代がかかる
従来の箔押し加工では、デザインごとに必ず「金型(版)」を作成する必要があります。この費用が非常に高額であり、数万円から、デザインの複雑さによってはそれ以上のコストが初期費用としてのしかかります。さらに、セキュリティ性を高めるためにマイクロ文字やホログラムなどを組み合わせようとすると、特殊な版が必要となり、コストはさらに跳ね上がります。
2. 数千~数万枚単位の「大ロット」でないと発注できない
高額な初期費用を1枚あたりの単価に吸収させるため、これまでのセキュリティ印刷は「最低数千枚〜」といった大ロットでの発注が基本でした。しかし、限定商品のパッケージや、小規模なイベントのチケット、社員証などで数千枚も必要になるケースは稀です。「本当は100枚だけセキュリティを高めた印刷物が欲しいのに、コスト面から発注できない」というジレンマがありました。結果として、不要な在庫を抱えるリスクや廃棄ロスの問題に直結していました。
3. デザインの柔軟性に欠ける
セキュリティを極める上で、「氏名」や「有効期限」などに箔押しすることは書き換え防止の面で非常に有効です。しかし、物理的な「版」を使うことから基本的に箔押し部分のデザインは1つと決まっており、従来の箔押しでは、「1枚ごとに内容を変える」ことは莫大なコストがかかるため現実的に不可能です。また、可変部分を印字するだけにしたとしても、印字と箔押しは別々の工程で行う必要があり、コストと納期がさらに増大する原因となっていました。
金券やチケットの偽造は、同じデザインが長期間、大量に流通するほど偽物を作る時間を十分に得ることになるので「大量に作って長く使い回す」という従来の印刷方法は、コスト面だけでなくセキュリティ面でもリスクをはらんでいたのです。
なぜオンデマンド箔が偽造防止対策に?得られるメリットとは
前述した「高コスト」「大ロット」「可変印刷不可」という、従来のセキュリティ印刷の常識を覆したのが「オンデマンド箔押し印刷(デジタル箔押し)」です。
オンデマンド箔とは、オンデマンド(On-Demand=要求に応じて)という名の通り、必要な時に必要な分だけを印刷できる箔押し手法です。その最大の特徴は金属の版を作らずに、デジタルデータから紙に箔を熱転写できる点です。この「版を作らない」という特徴が、偽造防止において大きなメリットをもたらします。
①コピー機が「光を再現できない」という物理的限界を突く

箔押し印刷は、コピーすると箔の部分が真っ黒に潰れるか、濁ったグレーに変色します。
どれだけ高性能なカラーコピー機や高精細スキャナーであっても、「箔」の強い反射光やメタリックな質感を再現することは不可能なのです。
そのため、目視しただけで一発で偽物だと見抜くことができます。
②デザインを毎回変えることで偽造を諦めさせる
オンデマンド箔は版代がかからないため、1枚ごとに異なるデザインの箔押しが可能です。 例えば、月ごとに箔のパターンや位置を変えたり、イベントごとに異なるグラフィックの箔をあしらったりすることが実現できます。毎回異なるデザインで手に取る人には飽きない、集めたくなるという心情を生み出すとともに、偽造グループに「デザインを模倣する暇を与えない(=タイトなタイムリミットを課す)」という最も効果的な抑止力を働きかけます。
③小ロット対応で在庫リスク・コストの最小化
「今月必要な100枚だけ」「今週末のVIPイベントの50席分だけ」といった小ロットでの発注が可能です。
無駄な在庫を抱える必要がなく、万が一「偽造が出回ったかもしれない」と察知した時点ですぐに次のロットからデザイン(箔の形状)を切り替えるといった、柔軟なリスクマネジメントが可能になります。
<実例紹介>オンデマンド箔を使った偽造防止デザイン例
オンデマンド箔の特性を活かしてセキュリティ性を高めるデザインのアイデアです。
シリアルナンバー・可変テキストに箔を使用
可変部分である数字や英字そのものを箔押しで印字します。通常の黒インクによるナンバリングと違い、番号そのものが金属光沢を持つため、番号の一部を書き換える改ざんやコピーを完全に防ぎます。
この特性を利用して、ある鉄道会社様では自社の福利厚生として職員に配布する「職務乗車券」でオンデマンド箔を導入されました。
<イメージ>

顔写真付きでお名前等の個人情報を入れた、1枚ずつ情報が異なる職務乗車券。使用できる区間、乗車券の有効期間を可変データ対応可能なオンデマンド箔押しにすることで高級感があるデザインの仕上がりで偽造防止を実現しています。
微細なデザインも再現できるオンデマンド箔

通常の箔押し印刷は細かすぎる文字や線は潰れてしまうため、デザインに制限があります。オンデマンド箔なら0.3mm程度の細さに対応できるため、細く複雑な線画も実現できます。線の太さに強弱をつけた複雑な箔押しは、コピー機でスキャンした際に潰れてしまい、線の連続性が失われるため、真贋(しんがん)判定の強力な目印になります。
限定感を演出する「カラー箔」の使い分け

今月はゴールド、来月はブルー、再来月はレッドといったように、同一データであっても製造ロットごとに箔の色を切り替えることができます。これにより、「その期間にしか流通しない本物の色」を管理側でコントロールできます。
YPGではゴールド箔、シルバー箔に加え6色のカラー箔をご用意しています。

まとめ:セキュリティとブランド価値を、必要な分だけスマートに
オンデマンド箔押し印刷は、単に「偽造を防ぐ」という防衛目的だけでなく、手にしたお客様に「特別感」や「高級感」というポジティブな顧客体験を届けることができる技術です。
「大がかりな偽造防止対策は予算的に厳しい」と諦めていた方こそ、版代不要で小回りの利くオンデマンド箔押しを活用し、スマートで安全な印刷物を制作してみてはいかがでしょうか。
