【商品や情報を守る!】偽造防止印刷について学ぼう
「偽造防止印刷」を知っていますか?
近年偽造品による被害が巧妙化していますが、偽造防止の技術を知ることで大切な商品や情報を適切に管理して偽造や改ざんの被害を防ぐことができます。そして、今注目の新紙幣にも偽造防止技術が用いられているんです。
今回は、印刷会社の目線で偽造防止の技術や種類、重要性についてご紹介していきたいと思います。
偽造防止とは
偽造防止印刷とは、印刷物に特殊なデザインや加工を施し、偽造を困難にする印刷技術です。
例えば、肉眼では判別できない微細な文字や模様、特殊な紙やインキなど、様々な手法が存在します。これにより、偽造品との見分けをつけやすくし、不正利用を防ぐことが出来るのです。
クレジットカード、パスポート、商品券、チケットなど、偽造のリスクが高いあらゆるものに用いられており、2024年7月から発行が始まった新紙幣にも様々な偽造防止技術が用いられていることで話題になりました。
偽造防止の重要性
偽造防止印刷は、商品や情報、ひいては企業の信頼性を確保するために必要となる場合があります。重要な商品や情報が簡単に偽造されてしまえば、その価値が失われたり疑われることに繋がるためです。
偽造のリスクが高いものには、偽造を防ぐための技術を取り入れることをおすすめします。
不正利用された事例
偽造防止の重要性についてお話しましたが、実際にはどのような悪用をされてしまうのでしょうか。ここからは不正利用された事例をいくつかご紹介していきます。
紙幣
「偽造」と聞いて、紙幣のことを一番に思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。最近では、自宅のプリンターで一万円札をカラーコピーし、貼り合わせたものをタクシーで使用したとして2人の男が逮捕された事件がありました。
偽造紙幣の発生枚数は年々減少しているそうで、偽造防止印刷の技術力の向上もその理由の一つとなっているでしょう。
ちなみに、紙幣はコピー機でコピーを取るだけでも犯罪になります(多くのコピー機では、紙幣をコピーしようとした段階でアラートが鳴り、コピーできないようになっています)。
紙幣を偽造すると、社会の秩序を大きく乱しかねないため、厳重な対策が取られています。
社員証
身分証の偽造や不正利用が社会を騒がす事件が発生しています。最近では、社員証を偽造して大手通信会社の社員を装い、マンションの契約を行った人物が逮捕されるという事件が発生しました。
このような事件を防ぎ、企業の信頼を保つためにも、社員証に偽造防止技術が使用されることがあります。
チケット
インターネット・オークション・金券ショップ等で偽造したチケットを販売し、逮捕される事件が発生しています。
ライブやイベントに参加するためのチケットは、お金を払い参加する権利を交換したものですので、偽造されると悪影響が多岐に及びます。来場するはずだった方が入場できなくなってしまったり、本来のチケット収入が減少し、イベント運営に支障が出たりする可能性があります。
以上のような不正利用を防ぐために、そして万が一偽造が行われた際にすぐ気づくために、大切な商品や情報の偽造のリスクについて注意を払うことも必要になってくるでしょう。
偽造防止技術の種類
ここからは、具体的な偽造防止技術をインキ・ニス、印刷、加工の三つに分けてご紹介いたします。
インキ・ニス
特殊発光インキ
紫外線などの特定の光を当てると光る性質を持ち、肉眼では見えない情報を読み取ることができます。こちらは新紙幣にも利用されている偽造防止技術です。
写真引用元:日本銀行ホームページ
特色インキ
金や銀、メタリックなどの色は特色と呼ばれ、通常のようにイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色で表現することが出来ません。専用のインキやトナーを用いて印刷する必要があります。そのため、コピー機などを利用した偽造防止に効果が期待できます。
クリアインキ・クリアニス
クリアインキを使用することで、ニスを塗ったりラミネートしたりしたようなツヤを生み出したり、凹凸を生み出すことができます。一般的なカラーコピー機などでは、この質感や凹凸を再現することは不可能です。さらにこの光沢感や立体感により、付加価値の高いデザインをつくることもできます。
印刷
マイクロ文字
肉眼では認識できない小さな文字を印刷することで、複製を困難にします。新紙幣には「NIPPONGINKO」の微小な文字が印刷されており、カラーコピー機などでは再現が困難です。
写真引用元:日本銀行ホームページ
加工
エンボス加工
紙や金属などの素材に凹凸をつけ、彫刻のように模様や文字を浮き上がらせる印刷加工技術です。 凸版(正向きの樹脂版)や凹版(逆向きの金属版)などで紙を挟み込み、強い圧力をかけて形状を固定させます。エンボス加工を正確に再現するためには、高度な技術と設備が必要であり偽造が困難です。また、触るだけで簡単に本物と偽物を判別できることも長所の一つです。
透かし
偽造防止の透かしとは、紙幣や有価証券、各種証明書などに用いられる、光にかざすと現れる文字や模様のことです。紙を抄造する際に繊維の量を調整する方法や、透かしニスを紙に流し込む方法を用いて紙の一部を透かすことが可能です。一般の人でも、光にかざすことで簡単に本物と偽物を判別できることも、偽造防止における長所の一つです。
写真引用元:日本銀行ホームページ
レーザー加工
レーザーで紙に加工を施すことも、偽造防止に効果を発揮します。社員証や入場券にハーフカットなどで凹凸をつけることで、コピーで偽造することが出来なくなります。さらに、レーザーは彫刻のような繊細な加工が可能なので、デザインの幅がぐっと広がります。
箔押し加工
箔押し加工は、紙やプラスチックなどの基材に金属箔や色箔などを熱と圧力で転写する印刷技術です。美しい光沢や立体感を与える装飾的な要素としてだけでなく、その特性を生かして偽造防止技術としても注目されています。箔の種類、転写温度、圧力、基材の種類など、様々な要素が複雑に絡み合い、同じ箔押しを再現することは非常に困難です。
ホログラム
ホログラムは、箔押し加工の中でも光の干渉現象を利用した高度な偽造防止技術です。 見る角度によって画像が変化する立体的な表現が可能です。この立体感が、偽造品との明確な区別を可能にします。ホログラムの製造には高度な技術と設備が必要であり、複製が非常に困難です。 また、偽造防止の効果だけでなく、その美しさから化粧品のパッケージなどにも採用されています。新紙幣には3Dのホログラム技術が採用されており、肖像が三次元に見えて回転します。
写真引用元:日本銀行ホームページ
YPGの偽造防止技術
当社でできること
当社が提供できる偽造対策としては、
・特色インキ
・UVクリア印刷(詳細はこちら)
・セキュアホログラム
・エンボス加工
・透かし
・レーザー加工(詳細はこちら)
・箔押し加工
・コピー偽造防止用紙「dpペーパー」(詳細はこちら)
があります。セキュアホログラムでは、角度により異なる文字を浮かび上がせたり、通常のホログラムにはないパステル系のホログラム加工をしたりすることができます。
コピー偽造抑止用紙「dpペーパー」は、コピーした際に「COPY」や「複写」などの文字が浮かび上がります。官公庁や学校が発行する証明書や、金券・チケットなどによく用いられます。コピーガードを施したコピー用紙として、通常の用紙を偽造防止用紙に差し替えるという利用方法もあるため、個人や企業が手軽に導入できることも特徴の一つです。
当社では偽造防止技術を施した社員証やチケットの制作など豊富な実績があり、お客様の要望やお悩みに合わせたご提案をすることが可能です。会社の大切な情報や商品を守るために、偽造防止技術を活用してみませんか?