ブログ

「箔押し印刷(加工)」で印刷物にインパクトと高級感をプラス!

箔押し印刷(加工)とは?

箔押し印刷(加工)は、金箔や銀箔などの箔フィルムを、金属版を用いて熱と圧力でプレスすることで紙に転写させる技術で、別名ホットスタンプとも呼ばれています。

箔押し加工しくみ.png

箔押し印刷の最大の魅力は、ロゴやデザイン柄に箔押しをすることによって、通常のフルカラー印刷では表現できない金属の光沢や華やかさをプラスすることができることです。
箔押しされた部分は視覚的にも目に留まりやすく、印刷物に高級感を与えてくれます

箔版の種類

箔押しを行うためには、デザインに合わせて専用の金属版を制作する必要があります。この版には、主に「腐食版」と「彫刻版」の2種類があり、用途によって使い分けられます。

腐食版

薬品で金属を腐食(エッチング)させてデザインを盛り上げて作る版。日本の箔押し印刷に使用される版は腐食版がほとんどと言われています。 安価で短納期での制作が可能ですが、複雑な凹凸表現や高精度な同時加工には不向きです。基本的に使用する材質として、銅版とマグネシウム版があります。

銅版

・細かい箔切れ(絵柄がシャープに出る)が特徴。
・耐久性が高く、大ロット向きですが、凸版代は高くなります。

マグネシウム版

・銅版に比べて凸版代は安価。
・絵柄の再現度は高いですが、耐久性は銅版より劣ります。

彫刻版

切削工具(近年ではマシニングセンタという機械)で金属を削り出して作る版。複雑な凹凸表現や、箔押しとエンボス加工を同時に行うことができます。腐食版に比べて高価で、作成に時間がかかるとされています。

箔の種類(色、質感、特徴)

箔は印刷物以外にも様々な分野で利用されていますが、主に印刷物に使用される箔は、定番のゴールド箔・シルバー箔のほかに赤・青・緑・ピンク・白・黒・パール・ホログラムなどのメタリック系の光沢のある箔、艶消しなどのマット系の箔など、カラーバリエーションも豊富です。そのため、印刷物に与えたい印象に合わせて選択することができます。

分類種類特徴と活用事例
メタリック系 ゴールド箔・シルバー箔 最も定番。高級感やプレミアム感のイメージの演出に。
  赤・青・緑・ピンク箔など 色付きの金属光沢。ブランドカラーを強調したい場合などに。
マット系 艶消し金・艶消し銀 光沢を抑えた落ち着いた質感。大人っぽさや上品さを表現。
  白箔・黒箔 厚みのある白色、または深い漆黒を表現。
特殊効果系 ホログラム箔 光の角度によって虹色に輝く。偽造防止やエンターテイメント用途に。
  パール箔 真珠のような優しい光沢。コスメやウェディング関連などに。
加工表現 空押し(からおし) 箔を使用せず、熱と圧力のみで紙に凹み(デボス)をつける加工。さりげない高級感の演出に。
特殊効果系 ホログラム箔 光の角度によって虹色に輝く。偽造防止やエンターテイメント用途に。
  浮き出し(エンボス) 紙の裏側から圧力をかけ、デザイン部分を浮き立たせる加工。

箔のカラーバリエーション.png

箔押し印刷(加工)のメリット

箔押し印刷を採用することで生まれるメリットをご紹介します。

印刷インキでは表現できない光沢と高級感

箔押しの事例写真.png

箔押し印刷の大きな特徴の一つは、インキだけでは再現できない光沢感と高級感です。
一般的に金には「高級」「豪華」、銀には「先進的」「高品質」などのイメージがあるとされ、これらは金属としての高い価値が由来となっています。この光沢をデザインに取り入れることで、通常の印刷だけでは表現しきれないプレミアム感を演出することができます。

長期期保存に耐える耐久性

箔はインクのように酸化して色褪せすることがほとんどなく、耐久性に優れています。 そのため、何年も大切に保管される記念品や証書、高級ブランドのパッケージなど、美しい仕上がりを長期間保ちたい印刷物に最適です。

箔押し+エンボス加工でプラスαの付加価値を

エンボス加工と箔押し加工の組み合わせ事例.jpg

特殊印刷のブログ記事でエンボス加工についても少しご紹介しましたが、箔押し加工した部分にエンボス加工を加えることで、加工部分が浮き出し、さらにインパクトを与えることができます

また、凹凸が生じることで、視覚に加えて触覚でも情報を与えることができるため、より記憶に残り続ける印刷物を生み出すことができます。

真似できない加工で偽造防止

箔押し加工には、特殊な設備と技能が求められます。自宅などで簡単に複製できないという点で、偽造防止としても用いられています。また、そのきらめきや感触の違いから、すぐに偽造品と見分けることも可能です。

身近なところでは、クレジットカードや紙幣で、ホログラムと箔押しを組み合わせる偽造防止加工が用いられています。

箔押し印刷(加工)の使用例

箔の種類や箔押し印刷のメリットをお伝えしてきましたが、箔押し印刷の使用例をいくつかご紹介したいと思います。

名刺

箔押しでロゴや名前を装飾し、オリジナリティを演出することで、名刺を交換した相手に強い印象を与えます。第一印象が重要だと言われるビジネスシーンにおいて、長く記憶に残る名刺は武器になるでしょう。

パッケージ

コスメ品や食品のパッケージに箔押しを施すことで、商品の価値を高めます。また、 箔押しによって、ブランドの世界観を表現できます。高級感や非日常性を重視するブランドには、とっておきの演出になるでしょう。

企業パンフレット

箔押しでロゴなどを目立たせることで、他の企業や求職者に強い印象を与えます。持ち帰ってからもう一度開いてみたくなる、魅力的なパンフレットに近づけることができるのではないでしょうか。
また、先ほどメリットの部分でもお伝えしたように、金には高級感、銀には先進性といったように、色が持つイメージがあります。企業が押し出したいイメージと近いものを選ぶことで、より適切な印象を与えることもできます

箔押し印刷(加工)の注意点

魅力的な印刷物に仕上がる箔押しですが、取り入れる際には気を付けなくてはならない点もあります。

加工時のズレについて

箔押し加工は、印刷後に別の加工機で作業するため、1mm程度のズレが発生する場合があります
抜き合わせの際は、ズレを考慮したレイアウトデザインが必要です。

細かい文字や線の再現性は高くない

箔押し加工は小さい文字、複雑な絵柄や細い線などの再現性が高くないため、注意が必要です。文字・線ともに0.2mm以上の太さをおすすめします。

デザイン性よりも読みやすさを重視する場合は、箔押し加工よりもオフセット印刷やデジタル印刷が適しています。

箔の擦れや潰れについて

紙の種類やデザインによっては、箔に擦れや潰れが生じる可能性があります。
また、凹凸のある用紙や広範囲のベタ箔押しは、箔が定着せず穴が開いてしまう箔抜けが発生する場合があります。

裏紙への影響

箔押し加工は、紙へ金属版をプレスして箔を圧着させるため、箔押し加工した面の裏面には凹凸とした押し跡ができます。

また、圧力をかけても紙が破れないよう、0.08mm以下の薄い紙には適していません。

新しい箔表現 オンデマンド箔(デジタル箔)

新しい箔表現として注目されているのが、オンデマンド箔(デジタル箔)です。

トナーに反応させて箔を定着させる技術であり、従来の箔押しに不可欠だった版が不要なのが最大の特徴です。そのため、版の制作にかかるコストや準備期間が削減され、小ロットや可変データへの対応を実現します。

デジタル箔のもう一つの大きな特徴は、箔をつけたあと、デジタル印刷機で箔の上に直接印刷が可能な点です。これにより、箔の持つメタリックな光沢感を基調としながら、その上からカラーや文字、繊細なデザインを重ねて表現できるため、印刷物の表現の幅を広げることが可能です。

オンデマンド箔.jpg

まとめ

今回は、特殊加工印刷の箔押し印刷(加工)について紹介させていただきました。

紙に「箔」という素材を組み合わせることで金属特有のメタリック感を表現できる箔押し印刷(加工)は、印刷物にインパクトとプレミア感を与える効果的な加工方法です。

また用途に応じてデジタル印刷も選択できますので、提案の幅が広がります。

YPGでは、これまで培った実績を活かし、紙・印刷のプロとして販促に効果的な加工をご提案させていただきます。ぜひお気軽にご相談ください。



お問い合わせはこちら

  

関連記事