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初心者でもミスなく校正チェックするには?コツとやり方をご紹介

製品カタログやパンフレット、会社案内など、企業の魅力を伝える媒体として欠かせない印刷物。
魅力的なPR活動の場である一方で、掲載内容にミスがあるとイメージダウンにつながったり、最悪の場合損失を招いてしまう可能性も。校正業務は製品を世の中に広めて「売上」を生み、「会社の顔」をつくる責任の大きい仕事です。

しかし校正のノウハウは担当者それぞれが独自に持っていてマニュアル化されていない場合も多く、新たに校正の担当になったけど「とにかく経験あるのみ!」とレクチャーなしにスタートする場合も。

そこで本記事では、間もなく創業120年を迎える老舗の印刷会社が、初心者でもミスなく校正をチェックするコツや、校正のやり方をご紹介します。

印刷物の「校正」とは?

校正?校閲?

そもそも「校正」とは、印刷・出版業界の専門用語で、印刷物の発行前に、文章や画像などが間違いないかを原稿と比較チェックし、ミスのない正確な発行物をつくることを言います。
間違った漢字が使われていないか、日本語の表現がおかしくないか、指示通りのデータが挿入されているか、レイアウトした際に文章や画像が欠けたり、漏れたりしていないかなど、紙面に書かれている要素をひとつひとつ確認します。

「校正」と混同しがちな「校閲」は、書いてある文章の意味・内容をさらに読み込んで確認することです。
全体を通して文章が矛盾していないか、人物や歴史、統計データなどは正しい事実が書かれているかといった内容にまで踏み込んで確認します。

印刷物の校正の役割

カタログやパンフレットなどの印刷物は、社内のさまざまな関係部署から集められた原稿をもとに作成することが多いと思います。担当者は、主に原稿をもとにして指示通りの内容が掲載されているか確認する「校正」作業を行うことになります。

校正の役割は、フラットな視点でミスを発見すること。原稿を作成した人は、内容を理解している分、細かいミスに気付きにくいものです。第三者の新しい視点で校正することは、正確な情報発信をするための大切な業務です。

しかし印刷物には、キャッチコピーや商品の紹介文から、価格・仕様といった細かい情報、製品画像、図面など多岐にわたる情報が掲載され、すべての情報を漏れなくチェックするのは大変な作業ですよね。

では、ミスに気付き、漏れなく校正するには、どのようなことに気をつければよいのでしょうか?

ミスを防ぐ校正のコツ【文章編・6選】

校正のコツ、まずは文章をチェックする際のポイントに絞ってご紹介します。
・コピー文や商品説明
・商品価格や仕様
など、文字ベースの情報は今からご紹介する6つのポイントを意識しながら校正してみてください。

誤字脱字がある前提でチェックする

どんな文章も人が入力したものであれば、誤字脱字や変換ミスなど間違いがある可能性はゼロではありません。常に疑いの目でチェックしましょう。

まずは文章全体を読んで意味を把握して、その後に文字を確認していくと、概要を把握したうえで一文字ずつチェックできます。

一文字ずつ確認する

タイポグリセミアという現象をご存知ですか?文章中のいくつかの単語で、最初と最後の文字が合っていれば間の文字が入れ替わっていても正しく読めてしまうという現象です。例えば、下の文章を読んでみてください。

みさなん、こんちには。おきげんですか?

違和感を感じるものの、流れで読めてしまうのではないでしょうか?

実際の校正でも、タイピングミスで一文字入れ替わったり文字が多い・少ないといった現象が起こっている場合がありますが、流れで読めてしまうので見落としてしまうかもしれません。文章は「文字」単位で分解して、ひとつづつ確認すると気付きやすくなります。ペン先でとん、とん、とんと追いかけるのもおすすめです。

数字や固有名詞には特に注意する

間違いのない印刷物を仕上げたいとは思いながらも、すべてを100パーセント完璧に仕上げるのは正直、難しいところ。限られた時間で、絶対に間違ってはいけない情報を100パーセントに仕上げることが大切です。例えば、
・人名
・社名
・問い合わせ先(電話番号/メールアドレス)
・商品名
・価格
・商品仕様
・クレジット表記
など。

企業や個人の利害にかかわる情報は、間違ったまま発行されることが無いように、十分に時間をかけて優先的にチェックしましょう

項目別にチェックする

一度にすべての項目をチェックしようとすると、意識が散漫になって集中できないものです。そんなときは価格だけ、商品仕様だけなど、項目別に校正するのがおすすめです。

同じ項目をまとめてチェックしていくことで、「さっきの修正はこっちにも反映しないと」「他と桁数が違うから入力ミスかもしれない」など、新しくミスを発見しやすくなります。

声に出して読んでみる

商品紹介文、挨拶文など、ちょっと長めの文章は小さく声に出して読んでみましょう。

文字を目で追っているだけでは気が付かない読みにくさ、言い回しの違和感などに気付くことができるかもしれません。

大きな文字の見落としに注意する

細かい文章はきちんとチェックしたのに、一番大きなコピー文の間違いに気が付かなかった!という経験は、実は校正あるある。筆者も印刷直前になって、キャッチコピーの「最高」の"高"がはしご高になっていることに気付いて冷や汗をかいた経験があります。

また、同様によく見落としやすいのが、コピーやあしらいに使われる英語表記。

「a」と「e」を間違える......(誤)messege→(正)message
「l」と「r」を間違える......(誤)bland→(正)brand

英単語はインターネットで検索したりWordに入力したりして、スペルチェックを必ずしてみてください。

刷り上がってから後悔する前に、コピーやページタイトルなど、大きな文字を見直す癖をつけておくと良いでしょう。

ミスを防ぐ校正のコツ【画像編・2選】

校正のコツ、続いては画像をチェックする際のポイントです。
・イメージ画像
・商品画像
・図面
などの画像は、2つのポイントを意識しながら校正してみてください。

画像と文字が一致しているか確認する

例えばメイン画像を途中で別の商品に変更したのに、写真の説明文(キャプション)を変更していなかった!という場合も。写真を変更する場合は、連動して修正しなくてはならない情報がないか確認しましょう

画像の指示は誰が見てもわかりやすく

画像を新しく入れる場合、差し替える場合は、できるだけ画像の見た目が分かる資料を用意し、誰が見ても指示内容が分かる状態にするのがベストです

また画像が複数ある場合は、番号(①、②...)やアルファベット(A、B...)などの記号を振って、どこに・どの画像を入れるのかをわかりやすくすることで、編集側のミスも防ぐことができ、見直す際にもわかりやすくなります。

今すぐ実践できる校正のやり方

ここまで、ミスを減らす校正のコツをご紹介してきました。ここからは、実際に校正のやり方を3種類ご紹介します。

突き合わせ校正

ひとりで、原稿と校正を照らし合わせながら校正する方法です。多くの方はこの方法で作業をするのではないでしょうか?

ひとりでデスクで校正するときは、途中で声をかけられたり手を止めなくてはならない場面もあるでしょう。可能であればチェックマークを付けながら校正するなど、どこまでチェックしたかを明確にして作業をすすめましょう。

読み合わせ校正

原稿を読む人・校正を確認する人の2人で行う校正方法です。間違いが少なくなるので、人数を確保できる場合はおすすめです。

原稿を読む人は、チェックする人が勘違いをしないように、数字は一桁ずつ読む、漢字を説明しながら読むなど、コツも必要になります。

あおり校正

再校以降、前回の校正紙と新しい校正紙を重ね合わせて、ペラペラと校正紙をめくり比較する方法です。変化した箇所を発見しやすく、紙面全体を確認したい場合におすすめです。

校正ミスのリスクを減らす複数人校正

複数人で校正してリスク軽減

ミスのない校正を目指すポイントと、校正のやり方をご紹介してきました。

とはいえ、すべてを一人で行うには限界があるもの。
校正作業は商品企画者、原稿作成者、校正担当者、制作会社など、複数の目が入ることでいっそうリスクを低減できます。ボリュームのある出版物ほど、複数人で校正されている企業様も多いのではないでしょうか?

一方で、校正人数が多いほど校正にかかる時間が増え、「短い時間で校正を終えて回覧しなくてはならない」「待機時間や取りまとめの時間がかかる」といったジレンマも抱えていらっしゃると思います。

このようなお悩みに、「オンライン校正」というツールがおすすめです。
YPGがご提供するオンライン校正は、クラウド上に校正データをアップすることで、複数の校正者が同時にアクセスして直接校正することができるサービスです

詳しくは、「校正業務を時短&効率化!メリット多数のオンライン校正」をご覧ください。

オンライン校正を導入することで、回覧時間を気にせず好きなタイミングで校正できるので、時間に余裕を持った校正業務が可能になります。精神的な余裕も生まれ、焦りから来るケアレスミスや見落としのリスクも減らすことができるでしょう。

煩雑な校正業務にお困りでしたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。



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